大好きな君の。
優哉は、眉を下げて俺を見る。
「憐くん、ごめんね。憐くん、朋ちゃんと付き合ってるのに、俺………」
「………は?」
俺の手をぎゅっと握る、優哉。
俺と、朋実が付き合ってる……?
「や、付き合ってないんだけど」
「んん?朋ちゃん、憐くんの彼女じゃないの?」
「や、普通に違う………」
何を言い出すのかと思えばそんなことか。
ここ数日、朋実と優哉の仲がすごい良くなってるのは事実だ。
もし、ここで付き合ってるって言ったら優哉は朋実を、諦めんのかな。
………なんて。言わないけどさ。
「そっか、そうなんだ」
嬉しそうに、本当に嬉しそうに優哉は笑った。
記憶が、戻ったら、優哉、こんな風に笑わなくなるのかな。