大好きな君の。
次の日になって天海との待ち合わせ場所のカフェに行った。
もうすでに天海はそこにいて、優哉に借りていたらしいCDの入った袋を俺に差し出した。
俺はその袋を受け取って、さっさと帰るつもりだった。
「優、記憶、ないんだってね」
「なんで知って……」
「優は有名だもん。それくらいのこと、誰だって知ってるわよ」
くすくすと天海は笑った。
有名、の部分だけ強調させる天海に怒りを覚えた。
『犯罪者の子供となんか付き合えるわけないじゃない』
もう、何カ月も前のことなのに、脳がしっかりそのことを覚えている。
「彼女、出来たんだってね。朋実ちゃん、だっけ?」
天海は俺に目も向けず、スマホをいじりながらそう言った。
朋実のことまで、知ってんのか……。
天海がいきなり俺の目の前にスマホを差し出す。
あまりにもいきなりのことだったので俺はのけぞってしまった。
スマホを見つめると、そこには笑っている朋実と俺の写真。
目が合わないってことは、きっと知らない間に撮られたんだろう。
「優の居場所、教えてくれるよね?」