大好きな君の。
不安。
走っていた途中看護師さんに注意されてしまったから
ずかずかと病室を目指して歩く私。
もうすぐで優哉さんの病室につく。
「今日はもう帰るね。また来るから」
そんな声が聞こえて、優哉さんの病室の扉が開いた。
中から出てきたのは可愛い、というよりも美人、の言葉が似合う女性。
大人っぽくて、優哉さんと同い年くらいだと思う。
その女性からは甘い香りがした。
「ふん、子供が……」
すれ違うときにそんな声が聞こえた。
驚いた。振り返って女の人を見つめるけれども相手は振り返ることなく歩いて行った。
かつかつっとヒールの音だけが響く。
…………ハルカ、そう優哉さんが言っていたことを思い出す。
なんだか嫌な予感ばかりする。