大好きな君の。
「ったが………」
「え?」
「あんたが、こいつを泣かせるから悪いんだ……」
長い沈黙を破ったのは憐ちゃんだった。
憐ちゃんは、今まで聞いたこともないような低い声で優哉さんに叫ぶ。
あまりにも怖くて私の方が怯えてしまった。
「俺が、朋ちゃんを、泣かせた……?」
「次こいつを泣かせたら、例えあんたでも許さないから」
憐ちゃんは私の腕をつかむと、走り出した。
もの凄く、速く。風になったような気分だ。
いつぞやのコンビニのすぐ近くの公園に入り私たちはブランコに乗る。
キィ、キィっと音をたて揺れるブランコ。
風が心地よい。
「ごめん」
風に紛れて憐ちゃんの声が聞こえた。