【短編】恋☆ゲーム

　《タラララ～ン♪おめでとう!!おめでとう!!》

と、クレーンゲーム機の音が鳴り響く…。

　彼女はしゃがんでゲットした商品を取り出した。


「やったぁ☆黒猫のぬいぐるみゲット♪」


　この物語の主人公・綾崎るちあは中学三年生。今年受験の花の15歳。外装は普通のどこにでも居る中学生。

　でも、実はゲーセンの店長を泣かす“クレーンゲーム・ハンター”の一人…。通り名に『神の愛娘』という威名をもつ、一流の“クレーンゲーム・ハンター”なのだ。そして、人々はるちあのことをこう呼んでいる。


【姫サマ】と…。


　理由は神様の娘だからお姫サマと似た地位だからとか…とにかくいろいろあった。

　でも、このことは学校の人たちは知らない。るちあだけの秘密なのだ。毎週日曜日にゲーセン巡りをして、ほしいものだけをおとして、あとはみるだけ。

　たまに“姫”だとバレて、勝負することは多くはない。もちろん売られた喧嘩は買う主義で、今のところ全戦全勝。負けなしだ。


「う～ん…今日はこの辺にしておいて次のゲーセンに行こうかな？」