【短編】恋愛妄想症候群
「急になに?」
そうだよ。
急に何言ってるんだよ、自分。
こんなの、相手からすればウザいに決まってんじゃん。
なのに、
なんで、あたしの口は止まらないの……
「あたしね、浮かれてた。小口君優しくて、嬉しかった。でも、調子乗ってたのかも。
ごめんね……ご……め…」
瞳から溢れる涙。
なんで?
なんで出てくるの??
出てこなくていいよ。
「佐倉、泣いてんのか?」
「……っ。くっ……泣いて……ない―――」
そのときだった。
『泣いてないよ』
そう言おうと思ったときだった。