【短編】恋愛妄想症候群


「急になに?」

そうだよ。

急に何言ってるんだよ、自分。

こんなの、相手からすればウザいに決まってんじゃん。

なのに、

なんで、あたしの口は止まらないの……

「あたしね、浮かれてた。小口君優しくて、嬉しかった。でも、調子乗ってたのかも。
ごめんね……ご……め…」


瞳から溢れる涙。

なんで?

なんで出てくるの??

出てこなくていいよ。

「佐倉、泣いてんのか?」

「……っ。くっ……泣いて……ない―――」

そのときだった。

『泣いてないよ』

そう言おうと思ったときだった。


< 20 / 24 >

この作品をシェア

pagetop