茉莉花の少女
「好きなだけ食べてね」

 彼女はそんな友達のお母さんみたいなことを言い出す。

「このクッキーってもしかして」

 市販のクッキーとは見た目がどこか違う。

 クッキーの表面が市販のものより少し粗い。

 お店で売っている手作りクッキーと見た目が酷似していた。

「そう。お兄ちゃんの手作りなの」

 さっきの兄の姿を思い出す。

 何か似合わない。

 美形だし、考えようによっては似合うかもしれないけど、人のために何か作るというよりは作らせそうなイメージがした。
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