茉莉花の少女
 そう思うと、何も言えなくなってしまった。

「変な話はやめて、これを飲んでみて」

 彼女はそう言うと紅茶を差し出した。

「この紅茶って匂いが強くないか?」

「うん。そういうものだから」

 彼女はそういって笑顔を浮かべる。

 僕はそれをとりあえず飲んでみた。


 ……。


 香りが強くて、お世辞でもおいしいとは思えない味だった。
< 105 / 362 >

この作品をシェア

pagetop