茉莉花の少女
 僕の心を見透かしたようにそう告げた。

「それならお手上げ」

「難しいかな。簡単なのに」

 何をどう考えて簡単というのか分からない。

 心を読まない限り、相手の誕生日が分かるわけがないはずだ。

「しばらく考えてみてよ」

「絶対、無理だから」

「それでも」

 こうなったら林か三田にでも聞くしかないだろう。

 彼女に興味がなければ知ることもないのだ。

「久司君の誕生日は?」

「十一月二十九日」
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