茉莉花の少女
「意外と近いんだね」

「十一月三十日?」

「そんなに単純じゃないよ。でも、久司君の誕生日はきっと久司君にぴったりな誕生日だよ」

「どういう根拠でぴったりなのか分からないけど」

「まあ、いろいろ考えてみてよ。頭の体操にもなるででしょう?」

「分かったよ」

 とりあえず林にでも聞いてみよう。

「家、帰りたくないの?」

 彼女は突然、僕にそう話しかけてきた。
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