茉莉花の少女
「先輩の誕生日? 十月二十三日よね」

 さすがに林の口からすっと言葉が出てきた。

「十月二十三日?」

 全然近くないじゃないか。

 あの女にそれを言うと、一ヶ月くらいたいした問題じゃないとか言いそうだ。

「本人に直接聞けばいいんじゃないの?」

「クイズだって言われたんだよ。誕生日をあててみてって」

 林は、ああと言うと笑顔を浮かべた。

「茉莉先輩はそのままだからね」

「何が?」

「名前が誕生日を意味しているの。少し違うけどね」
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