茉莉花の少女
 聞いてくるといってもどんな成績だったのかを聞いてくるわけでもない。

 どんな模試を受けたかを聞き、その成績表を送るようにというだけだった。

 成績がよかったときは反応を示さない。

 逆に気に入らない成績のときは説教を書いた手紙を送りつけてくる。

 それが嫌で僕は必死に勉強をした。

 僕の存在を消したいほど嫌っているくせに、中途半端にかまわないでほしかったのだ。

 でも、僕を守っているのがその中途半端な愛情のような見栄のようなものだと思うと、それはそれで一興だった。
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