茉莉花の少女
「そのつもり。でも、旅費はただだから、その件は気にしないでね」

「どうして?」

「お兄ちゃんのおごりなの。だからいいでしょう?」

 父親からの仕送りは母親が全て管理している。

 そのため、僕に渡されるのは月三万だ。

 三食分の食費に費やすとお金があまりあまらない。

 そのため、余剰にお金をもらいたい場合、母親に話をきりだす必要があった。

 母親にその話を切り出さなくて言い分、気楽ではあるが、本当にそれでいいのかという戸惑いもある。
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