茉莉花の少女
 すると、車が動き出す。

 彼女は窓から外を眺めていた。

「車ってことは近い?」

「近いような遠いような。駅から不便なところにあるから車で行くことになったの」

 未だ目的地も聞かされていない。

 それについていく僕も僕なのだろう。

 車は一層加速していく。
< 160 / 362 >

この作品をシェア

pagetop