茉莉花の少女
「それはだめ!」

 彼女は強い口調で僕の言葉を否定していた。

 どうやら自分の力でその代物を手に入れたいらしい。

 仕方ないな。

 僕はため息混じりにつぶやいた。

 結局見つけるまで、彼女は探し続けるだろう。

「いいよ。一緒に探そう」

「でも、それじゃ」

「何?」

「何でもないです」

 彼女はしゅんとなってしまうと、肩を落としていた。
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