茉莉花の少女
第16章 誕生日プレゼント
 人に何かをあげたことなんかほとんどなかった。

 だから、どんなものをあげれば人が喜ぶのか、そういったことも全く分からない。


 小学校のとき、母親にカーネーションを買ったことがある。


 それを受け取った母親が

「そんな金があるなら自分に渡せ」と言ったのも、今では懐かしい思い出と化していた。
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