茉莉花の少女
第17章 信じること
 母が知らない人とキスしているのを見た。


 その情景はただ汚くて、映画で見た血まみれの死体のように消したいものに分別された。


 けれど、そういった記憶ほど生々しく残り続けるものだった。


 ただ、気持ち悪いという記憶しかなかった。
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