茉莉花の少女
「ごめんなさい。あなたを振り回してしまったことは分かっている。

だから、最初は春までつきあおうって言ったの。

本当はそうすべきだったのかもしれない。もう大丈夫だって思えたから。

でもどうしてももう一度、あなたに誕生日を祝ってもらいたかった。

だからわがままを言って伸ばしてもらったの」


 てっきりそれは彼女が高校卒業時を区切りとして言っていたのだと思っていた。

 卒業したら会えなくなるから、だと。

 しかし、そうではなかったのだとそのとき知った。

「誰と?」

 混乱する思考を抑え、必死に彼女に問いかける。
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