茉莉花の少女
 彼女らしいといえば彼女らしいのかもしれない。

「寒いね」

 彼女は肩を抱いた。

 いつもはそんなことがないのに、今日はやけに体が冷える。

 彼女の体もいつもに比べて冷えている気がした。

「暖房を入れようか」

「大丈夫だよ」

 彼女は僕に肩を寄せてきた。

 そのとき、君の体がやけに細く、軽く感じた。

 二週間前よりももっと小さくなってしまったように感じていた。

 悩んであまりごはんを食べることもできなかったのだろう。

 その一因が僕にあるのが歯がゆかった。

 しかし、秋人さんたちもそんな歯がゆさをずっと感じていたのだろう。

 彼女の息遣いが穏やかなものに変わる。

 疲れていたのだろう。

 ゆっくり眠っている彼女の寝顔をただ見ていた。
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