茉莉花の少女
 なんと言っていいのか分からなかったのだろう。

 いつの間にか再婚していましたと知らせるようなものだからだ。

「わかります。何か用ですか?」

 しかし、なぜ次から次にこんな厄介なことが起こるのだろう。

 茉莉がいたらまた心配をかけさせてしまうと思った。

 そんなことを考えて、自分で自分を笑う。

 彼女はもういないのだ、ということだった。

「あなたにお願いがあってきました。話を聞いてください」

 それは想像がつく。しかし、ここで話を聞くわけにはいかない。

 母親がいつ帰ってくるかも分からないからだ。

「とりあえず、外に行きませんか?」

 僕は彼女と近くにある店の中に入ることになった。
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