茉莉花の少女
 彼女から聞かされた話は驚くべきことだった。

 僕の父親は一年半ほど前から病気を患っていること。

 僕は父親の連絡がメールに変わったことを思い出す。

 アナログ人間の父親がメールを積極的に打つことに違和感はあった。

 その答えがそれだったのだ。

「メールはわたしがあなたのお父さんに頼まれて打ちました」

 僕が何を思っているのか察したのだろう。彼女は悲しげな表情でそう呟いた。

 成績を送っても返事がなかったのはそれが理由だったのだろう。

 体調が悪いと言い出せないのは彼らしいといえば彼らしい。

「それで話とは?」
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