茉莉花の少女
「で、一緒にデートしたんだ。いーな」

 早速、三田は昨日の話を聞きに来た。

「デートって言っても一緒にコーヒー飲んだだけだけどな。しかし、あの女は本当によく食べるな」

 結局、あの後、頼んだものをあっさりと平らげてしまった。

 あれだけ食べてあの体型というのはある意味すごい気はする。がりがりで肉付きも悪いのに。

「でも、太るとか言って、ちまちま食べたり、何も食べない女よりもいいと思うけどな。俺は」

 確かにそうなのかもしれない。

 三田の言うことにも一理ある。

 頼むだけ頼んで少しずつ食べたりされるとあまりいい気はしない。

 しかし、それは彼女があまりに太りにくいことからなせることなのだろう。

「お前、先輩のこと好きじゃないんだろう?」

「全然」

 そう素直に答えたのは、別にこいつにこんな話をしてもクラス内に広まらないことだけはたやすく想像がついたからだ。
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