茉莉花の少女
見つかったらなぜ補習に出ないのかと説教をされることはほぼ分かりきっていたからだ。
昨日彼女と約束したかもしれない交差点に行く。だが、彼女の姿はどこにもない。
学校に行ったのだろうか。そう思って、携帯を見た。
彼女からの電話は未だかかってこない。
ここまでわざわざやってきた自分の行動をばかげていると思った。
彼女もいい加減学校に行っているはずだ。
そう思って、来た道を引き返そうとしたときだった。
その奥にある公園に見知った制服姿を見つける。
ベンチに座っていたりしたなら、すぐにその正体を確認しようとしただろう。
彼女は花壇の前にかがみ、こちらからは背中しか見えない。
少しクセのある茶色の髪が揺れていた。
その後姿と変な行動を見ただけで、彼女が誰か分かってしまった。
「何をやっているんだよ」
ため息をつき、その公園の中に入る。
「笹岡先輩」
僕は彼女を呼んだ。
聞こえないのか、振り向かない。
距離を狭めながら、何度か名字を呼んだ。
やっぱり背中を向けたまま何かを必死に見つめている。
昨日彼女と約束したかもしれない交差点に行く。だが、彼女の姿はどこにもない。
学校に行ったのだろうか。そう思って、携帯を見た。
彼女からの電話は未だかかってこない。
ここまでわざわざやってきた自分の行動をばかげていると思った。
彼女もいい加減学校に行っているはずだ。
そう思って、来た道を引き返そうとしたときだった。
その奥にある公園に見知った制服姿を見つける。
ベンチに座っていたりしたなら、すぐにその正体を確認しようとしただろう。
彼女は花壇の前にかがみ、こちらからは背中しか見えない。
少しクセのある茶色の髪が揺れていた。
その後姿と変な行動を見ただけで、彼女が誰か分かってしまった。
「何をやっているんだよ」
ため息をつき、その公園の中に入る。
「笹岡先輩」
僕は彼女を呼んだ。
聞こえないのか、振り向かない。
距離を狭めながら、何度か名字を呼んだ。
やっぱり背中を向けたまま何かを必死に見つめている。