茉莉花の少女
 両親はそれからしばらくて、離婚することになった。

 そして、問題になるのが親権だ。

 それを母親は欲していた。

 それが子供への愛情から来るものではないことも知っていた。

 彼女の目的はお金だったから。

 父親が亡くなれば、僕だけが遺産を相続できる。

 それを狙っていたのだ。

 僕の親権は相続分をほしい母親に引き取られることになった。

 そして、彼女は養育費をむしりとることにも成功したようだ。

 父親は自分の子ではないと思っていても、近所に悪い噂が流れるのを畏れたのだろう。

 評判とお金。

 ……それは彼らにはお似合いの言葉だと思った。
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