茉莉花の少女
「恋煩い?」

 その彼の声よりもキーの高い声が聞こえてくる。

 彼の隣を見ると、同じクラスの林利奈が立っていた。

 彼女は髪の毛をショートカットにしている子で、さっぱりしたイメージがある。

 綺麗な二重の瞳をしていて、すっきりとした目元が彼女の見た目の年齢を押し上げていた。

 二十歳くらいでも十分通用すると思う。

「別に」

 彼女は他の女のようにこびてこないので話にくくはなかった。
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