茉莉花の少女
「何か悩みがあったら聞くよ?」

 姉御肌とでもいうのか、人が悩んでいるとほうっておけないタイプなのだろう。

「何もないよ」

「顔に書いてあるけどね。先輩のことを考えていましたって」

 なんとなく、教室内から向けられる視線の数が増えた気がする。

 それに林も気づいたのだろう。

「外で話そうか」

 僕は彼女の言葉にうなずいた。
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