それは、純愛未満
この手の中にある金を使う気はさらさらなかった。
純粋に、もう一度話してみたかった。
だけど名前も学年も分からないことにいま、気づいた。
とりあえず、放課後になったら下駄箱で待とうと決めた。
「彗~、遊ぼうよ?」
「用があるから無理」
毎日断ってんだからいい加減諦めてほしい。
前に1回、受け入れた。 だけど、キスされそうになってそれ以来、断ってる。
…あー、思い出しただけで、気持ち悪い。
ついてくる女を無視して下駄箱に向かう。