それは、純愛未満
そう言って走る速度を上げれば、後ろから笑い声が聞こえた。
……真面目に答えたはずのに、なぜ。
「話したいことがあるんだよ」
「…仕返しに来たのではなく?」
そんな声が聞こえたので足を止めながら、後ろを振り向いた。
そしたら初対面の時とは比べものにならないくらい優しい顔していた。
どうやら、怒っているわけではなさそうですね。
「しない、しない」
「では、話したいこととは何ですか?」
「んー、忠告しようと思って」
忠告? …思い当たる節がありません。
びくびくしながら彼の言葉を待った。