それは、純愛未満
駅から降りて、学校まで向かう。
私と同じ制服の人が歩きを進める度に増えてくる。
…カップル多いな、こんちきしょう。
付き合う行為自体は別に構わない。
だけどいちゃつくのはやめてほしい、それがどれだけ私を虚しくさせているか分かってるんですか!?
「もっと周りを考え…ぐえっ」
「ブス、邪魔」
誰かに後ろから強めに肩をぶつけられ、思わず前に転んだ。
ゆっくり立ち上がって、スカートについた汚れを手で払う。
そのまま歩き出そうとしたら、1人の人と目があった。
…綺麗な人だな、女の子たちが彼を見て顔を赤らめていた。