それは、純愛未満

「はい」

「忠告は1つだけ」


──本気で捕まえに行くから覚悟しろや。


そう言って、初めて会ったの時のような笑い方をした。

…口調も、目も初対面の時とは全然違うけれど。

とにかく、自分の身が危ないことだけは分かりました。


「…忠告ありがとうございます。 捕まらないようにします」 

「本気で逃げろよ?」

「当たり前です」


私はあなたのお姫様ではないのですから。

せいぜいお姫様が見つかるまで、逃げ切ってやりますよ。


これが、私と王子様の鬼ごっこの始まり。
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