それは、純愛未満

ああ、なんて可愛いのでしょう。

部活の途中に申し訳ないと思いつつ、手を降って走る速度を上げる。

莉子ちゃんに癒されて、私の体力が上がった気がします。


「由紀ちゃん、ストップ」


そう言う莉子ちゃんの声が聞こえて止まる。


「莉子ちゃん何か用で…ひいっ」

「捕まえた」


宮崎彗に肩を掴まれて、じたばた暴れていると莉子ちゃんがこちらにやって来た。


「由紀ちゃん」

「はい?」

「また害虫さん追いかけられてるの?」


…今、すごい毒を吐きませんでした?

もしかして、また始まってしまうのでしょうか。
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