それは、純愛未満
「へえ」
「ちょ、何か企んでじゃねえよ」
悔しいですが、とても楽しいです。
…こんな日が続けば幸せなんでしょうね。
「よし」
お姫様が現れるまで、逃げ切りますか!
決意を固めて私は筋肉痛の日々を覚悟した。
「絶対、捕まえてやる」
「絶対、邪魔してやる!」
そんな会話も聞こえず、私はただこれからのことを考えていた。
『ねえ、由紀。 私の王子様はまだかな?』
あの人の言葉が頭の中でこだまする。
…そろそろ会えますよ、──。