それは、純愛未満

「へえ」

「ちょ、何か企んでじゃねえよ」


悔しいですが、とても楽しいです。

…こんな日が続けば幸せなんでしょうね。


「よし」


お姫様が現れるまで、逃げ切りますか!

決意を固めて私は筋肉痛の日々を覚悟した。


「絶対、捕まえてやる」

「絶対、邪魔してやる!」


そんな会話も聞こえず、私はただこれからのことを考えていた。


『ねえ、由紀。 私の王子様はまだかな?』


あの人の言葉が頭の中でこだまする。

…そろそろ会えますよ、──。
< 25 / 28 >

この作品をシェア

pagetop