それは、純愛未満
「なに見てんの? 不細工な顔で」
……ああ、さっき私にぶつかった人この人か。
自分が可愛くないことは分かってますし気にしません。
──綺麗な人は苦手だ。
まるでよくあるシンデレラストーリーの王子様みたいで。
このまま聞かなかったことにしようと、私は歩き出した。
「無視?」
「………」
「あんたみたいな不細工に見られたら、気味悪いんだけど」
「……、」
「…見物料としてさ、お金ちょーだいよ」
うざい、さすがにいらいらしてきました。
私は振り返り彼を睨みつけた。