それは、純愛未満

「……私、今月のお金なくなってしまって、今日の放課後の約束をキャンセルさせていただきたいのです」


そう、私はあの人に本当に全部渡してしまったらしいのです。

その時は梨子ちゃんの約束を考えられず、考えていたら半分くらい残せば良かったのに!


「…由紀ちゃん」

「はい、すいません」

「大丈夫だよ? ちょっと残念だけど、来月いっぱい遊ぼ?」


そう言って梨子ちゃんは天使みたい笑った。

ああ、もう、大好きですっ!


「ありがとう」

「ふふ、どういたしましてっ」


梨子ちゃんといっぱい遊ぶためにそろそろバイトを探さなくては。
< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop