それは、純愛未満
「……私、今月のお金なくなってしまって、今日の放課後の約束をキャンセルさせていただきたいのです」
そう、私はあの人に本当に全部渡してしまったらしいのです。
その時は梨子ちゃんの約束を考えられず、考えていたら半分くらい残せば良かったのに!
「…由紀ちゃん」
「はい、すいません」
「大丈夫だよ? ちょっと残念だけど、来月いっぱい遊ぼ?」
そう言って梨子ちゃんは天使みたい笑った。
ああ、もう、大好きですっ!
「ありがとう」
「ふふ、どういたしましてっ」
梨子ちゃんといっぱい遊ぶためにそろそろバイトを探さなくては。