コンプレックス彼女‼︎
「あーー めっちゃ走ったー」
額の汗をぬぐいながら、手をパタパタとうちわのように仰いでいる。
‘‘やつ”とは、絶賛、クラスの皆に囲まれ中のこいつ。
蓮実 聖也(はすみ せいや)。
「聖也今日来るのおそかったねー」
「汗だくじゃーん。もー」
「あっ タオル貸そっかー?」
いっせいに話しかける女子達。
「昨日、目覚ましのアラームかけわすれててさ。ホント焦った〜。あっ タオルは大丈夫。ありがとう。」
笑いながら答えていく蓮実。
今日もあいかわらずモテモテですね。
全然羨ましくなんかないよーだ。
「良いの〜?ダーリン囲まれてるよ?」
心配そうに聞いてくる凪。うーん。凪は優しい子だね。心配してくれてんの?
ん?ダーリンだと⁉︎
「ダ、ダーリンじゃないし!それにあいつがモテんのは、いつもの事じゃん。」
そう。これは、いつもの事なのだ。