空に響く歌声……
ほら、あんたがやったんでしょ。


そんな目で見られる。実の母から。

その時に私は確信した。

周りに味方はいない。

みんな敵。

敵。

敵。

敵だらけの、毎日。

学校に行きたくないとそう母に告げた日。

母は、病弱な祖母と私を残し何処かへ去った。

愛想が尽きたようだ。

前から恋人がいたようだったし、その人のところにでも行ったのだろうと考え、探そうとはしなかった。

祖母は、母とは違い話しのわかる人だ。

もちろん、金口のことは言えるわけもないが祖母は学校に行かなくても良いと言ってくれたのだ。

それでも、苦しかった私は、小6の夏。

住んでいたそこからはとてもとても遠い、田舎へと引っ越したのだ。
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