空に響く歌声……
「……だ、太亮。」

「おーぉ!!久しぶり。何やってんの?」

「うぅん。別に、普通に中学通ってる。」

「ふーん。あ、俺この間ここに引っ越してきたの。よろしくな。」

うそ……でしょ?

この近くに住んでるの?

中学校は?

同じになるの?

だめ……そんな。

小学校から、逃げてきたのに。

嫌だ……いやだ。

「何怯えてんの。また、繰り返すから?」

太亮が笑ってる。

こわい。

「……で…んで…?」

「聞こえないよ、琴里ちゃん?」

「なんで!?また、私を苦しめるの??」

「ふははは。だったらどうする?」

そんな……

酷すぎるよ。

逃げたから罰が当たったの……?

「琴里は、逃げられると思った?」
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