ドラゴンの鍛冶屋

北の森。

ドラゴン姫は、夜の森をおっかなびっくり、すすんでいきます。

しばらく歩くと、きれいな水の池にたどりつきました。

大きな池のまんなかに

『ドラゴンばあさんの家』

というカンバンが立っています。



「おばあさん、おばあさん」

ドラゴン姫は、おっきな声で、そうよびました。

ブクブクッ

池にあぶくが立ち、トンガリボウシがあらわれました。

「こんな夜中に…ファ~、いったいだれだい?」

ザブゥン

あらわれたのは、ピンクのトンガリボウシをかぶった、姫とおなじくらいちっちゃなおばあさんドラゴンでした。

「こんばんは、おばあさん」

ドラゴンばあさんは、声のぬしを見てびっくり!

「あらあら、ドラゴン姫!こんな遅くに、おとももなしで…」

そういうと、ザブザブと池を泳いで、ドラゴン姫のそばまで来ました。

「どうしたんだい?お城でなにかあったのかい?」

「王さまのかんむりが、こわれてしまったの」

ドラゴン姫は、悲しそうに言いました。
そして、ドラゴンばあさんに、人間にかんむりをなおしてもらいに行く、と言いました。

「…人間の村に行く?ダメ!それはダメよ!」

ドラゴンばあさんも、大はんたい!
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