向日葵の約束

緋い向日葵


今日も煩わしいほどに蝉の鳴き声が青空に響く。


それとは全く違う清らかな音を此処は俺に与えてくれていた



「要」


バシャ、と水が真上から落とされた



「何だよ、稚早」


その原因をつくった親友、楢原稚早を俺は睨み付ける


「いいかげんプールから出れば?」



「嫌だね!無料でこんなに涼しく過ごせるのは学校のプールしかねぇよ」



「図書館とか行けば涼しめるし…」



「あんな機械なんか使ったら体がおかしくなるだろっ!!
―あれ、急激に寒くなったりさぁ、もう人類の敵だから」




「だ、だからって先生に見つかったらどうするの!?」


「知らねーよ。つか、先生とか来ないだろ。」


俺は稚早に仕返しで水の中に引きずり込ませる



「ち、ちょっと!落ちるっ…」






盛大な水音が2人の姿を暑い夏から




涼しい水の中へと導いていった


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