言葉にできない。

ギュッと握った手がどんどん冷えていく。


「お客さん、着きましたよ。」


いつの間にか風来荘に車は止まっていた。


「ありがとう。」

支払いを済ませ、部屋に帰る。




半日前までの、東條のことを何も知らなかった時まで時間を戻したかった。


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