言葉にできない。

その切れ長な綺麗な漆黒の瞳から溢れる涙。


「東條さん・・・」


「なんでだよ、そうやって心に鍵をかけて誰にも近付かせないで、独りで生きて行くって強がって、そのくせ弱くて誰かに助けて欲しくてたまらないって顔して!!」


どうしてあなたが涙を零すの・・・?

どうしてあたしの代わりに泣くの・・・??


「千鳥が苦しんでるの知ってるよ、だから俺はずっとずっと待ってた。
近付いたと思ったらそうやってまた俺と距離を取ろうとする・・・。
俺じゃダメ??千鳥のこと助けられない??」

綺麗な漆黒の瞳が揺れている。

涙でユラユラ・・・揺れて、綺麗。



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