言葉にできない。
いきなりであたしは少しだけパニックだったのかもしれない。
「ちー、落ち着いて。」
司の声が耳元でする。
「大丈夫、俺がいるよ。」
ぎゅう、っと力強く抱きしめてくる、司の腕。
すると不思議と心が落ち着くのが分かった。
「すまない。君の言う通りだ・・・今更なのは分かってる。
でも・・・少しだけでいいんだ。聞いてくれないか?」
「・・・ここでなら。」
2人の、本当の事を知るために。
そう言うと、久我は嬉しそうに笑った。