言葉にできない。

「いいよ、それだけ?」

「うん、あ、一緒に食べたらいいよ。あたしは帰るのが遅くなると思うから。」


そう言って出かけて行くうめ。

一緒に?一緒にねぇ・・・。本人がなんて言うか、だよね。
うめちゃんだから一緒にしてたのかもだけど、あたしじゃ嫌って言われるオチよね。



はぁ。



ため息一つ吐き出しながら東條さんの部屋に向かう。


彼の部屋は2階の端。201号室。


もう10年になるね、ここに来てから。

< 23 / 238 >

この作品をシェア

pagetop