言葉にできない。

初めてあった時のあたしはまだ高校生だった。
お母さんが自ら命を絶って。
高校も辞めなきゃいけなくなって。
どん底にいたあたしを知る人。



トントン。


木の扉をノックする。



シーンとしたまま、反応がない。


トントン。



もう一度。


そして、トントン。


3度目でようやく何かが動く音がした。

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