言葉にできない。
何かを必死に隠そうとしている彼のテリトリーは、綺麗にするとなかなかの空間だった。
大きなベッドしかない部屋。
小さなテーブルにはパソコン。冷蔵庫もテレビもない空間。
「綺麗になった!!ありがとう、千鳥ちゃん!!」
そう言って千鳥の両手を掴む東條の掌はあったかかった。
「それにしても・・・なんなんですか、この紙の山。」
「あ、うん、あの、えっと・・・」
言い淀むということは、言いたくないということ。