言葉にできない。

「じゃ、遠慮なく・・・」


近付いてそっと胸筋に触れてみる。


温かい・・・。

なんていうの、こういう気持ち。


「千鳥ちゃんが筋肉フェチだとは思わなかったなぁ。」

いつの間にか東條との距離がグッと近くなっていて。


見上げるとそこにあるのは切れ長の二つの漆黒の瞳。


「無駄だって思ってたけど、たまには役に立つんだね、筋肉。」


ニコリと笑うその顔は軽蔑とかじゃなくて…なんだか嬉しそう。

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