言葉にできない。

「千鳥ちゃんもって?」

平静を装って問うと、うめさんは笑った。


「結婚どころか彼氏すらいないんだもの。死ぬに死ねないわよ、あたし。」

真っ直ぐに俺を見るうめさんはニコリと笑った。
意味深に。


「司ちゃんならちーをあげるわよ?」


…このばあちゃんは。


俺の隠していた気持ちをいともあっさりとバラしてくれた。


< 46 / 238 >

この作品をシェア

pagetop