言葉にできない。
「あ、あのさ、千鳥ちゃん。俺ね、あの」
慌てて何かを伝えようとするものの、上手く言葉が出てこないらしい。
「責任感じたりしないでくださいね。忘れてください。」
ふと、視線を下げると脱ぎ散らかした下着や服が側にあった。
するりと足をベッドから降ろし、なるべく肌を見せないようにそれらを取り上げ、隠れるように身に付ける。
ダメだよ、千鳥。
お母さんを見てきたでしょ?
あんたも同じ血が流れてるの。
だから、ダメ。
東條さんに迷惑かけることになるから。