言葉にできない。
「わ⁈」
くるり、と勢い良く身体を反転させられる。
「千鳥ちゃん。ゆっくりでいいんだ。俺は君が好きだよ。
だから、俺に甘えて?俺に縋って?助けて、って言ってくれたら全力で助けるし、守るから。」
真っ直ぐに真摯に見つめてくる東條さんの目は、優しさで溢れていて、あぁ、この人ならあたしの苦しみとか辛さとか理解してくれるかもしれないな、なんて思って。
自由になった右手を上げて、あたしを見下ろす優しい人に自ら触れてみた。