言葉にできない。

「千鳥ちゃん?」



不安そうな顔をした東條さんが、千鳥のジャケットの裾を引っ張る。


「こちらは大神くん、このお店のオーナーしてるの。
大神君、彼はさっき話した東條さん。」


互いを紹介して。



「このお店・・・美容院??」


「そうよ。その、伸ばし放題な寝癖頭、なんとかしてもらおうね。」

あたしの考えをようやく理解した東條さんは少しだけ顔を赤くして俯いた。


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